これは、イタリアから飛んで来た私のための結婚祝いです。
ちょっと長くなるけど、今日はこの「イタリアのクルミ割り器」にまつわる思い出話を。
20代後半、独身、architecte d'intérieure(室内建築家)、parisienne(パリジェンヌ)!
今考えてみたら絶好調の時期だった。
あるとき、parisで担当した自宅projetの段取りのためにイタリアに向かう!
ほとんど、フルオーダーで設計されたリビング、風呂場…に使うbianco(大理石)の
※ナンバリングや細かい面加工の作業指示のためだった。
初めての大きい仕事だったし、bianco産地の初現場入りが嬉しくて…
カッコいいイタリア人の社長に会えるかもしれないという期待感でパンパン!!
向かったのはイタリアの大理石の産地carrara(カッラーラ)の近くにあるcolonnata
(コロンナータ)という小さな町。
まず、社長さんが直接駅までお迎えに来る事になったので...
でも、あちこち探してもカッコイ社長らしいイタリア人が見当たらない…
しばらくしたら…
結構悪くない発音の英語で私に話をかけて来る、小さな東洋人のおっさんがいる。
何に?私に道なんが聞いたら困るよ~と思いながら返事をしたら…
ooh la la!彼が、そのおっさんが、カッコいいはずの社長さんだった!
しかも会社に向かう車の中でお互い偶然韓国人だった事に気づく!!
イタリア語もフランス語も英語も吹っ飛ばしてすべての仕事を韓国語で!!!
周りのイタリア人たちが耳コピした韓国語で合流、だんだんcolonnataの夜は
熱く盛り上がっていく・・・・!!
ところで、彼、Mr.Packは20代の初めには韓国・現代建設の新入社員だった。
そして、いきなりイタリアのbianco村に派遣され大量の大理石を
サウジアラビアの現場に運ぶ役に選ばれるが...
まだ、イタリア語で挨拶もぎりぎりの状態で、
たった一人の上司が車の事故で現場から退場...!!
突然一人で、真っ白くなった頭で、真っ白いbiancoと戦うことになった。
MAMMA MIA!!!
ところが・・・ある日突然(たいてい歴史はこうやって始まるんや!)
村の女子高生がやって来た。(まるで映画みたい!)
彼女は片言英語で、とても情熱的な韓国の男と
それに負けない情熱固まりのイタリアの男たちの架け橋になる。
こうして彼は、半年間昼晩なしで頑張り、無事に現場を終了、
ソウルの本社に華麗な帰国を!!
ところが、歴史はここから始まる。
彼、Mr.Packは、なんと半年後当時韓国の若者の憧れの現代建設をやめて
colonnataに戻り、まだ未成年だった彼女の前に立った。
彼女の父親に情熱的に叩かれたらしいけど・・・
ついには村人に助けられて無事に結婚、十数年後は村では誰もが知っている有名人、
立派な大理石加工会社の社長になっていた。
ハア~、説明が長くなった。
実は私も夫に出会い6ヶ月で結婚!
日本に来る直前、ひさしぶりにMr.Packからの電話があり結婚報告をする。
そして、名古屋に来て初めてもらった小包は、イタリアからのクルミ割り器!
あの時はこの地味な結婚お祝いの意味がよくわからなかった。
固い皮の中にあるはっきり言い難いクルミの味。
しぶみもちょっとした油のほんなかな甘みも...微妙なハーモニー。
しかもくるみ割り器無しではなかなか中身が出せない。
時間と共にだんだん馴染んで来る、ぶっとくて素朴な形の私のクルミ割り器!
愛の素晴らしさ、力・・・そして重み。
最近、ちょぴっと、その意味が分かった気がする!
結局、おっさんは、
めちゃくちゃカッコいい社長さんだった!!?
※ナンバリング:天然石は模様があるため産地で確認、設計者のイメージ通りに施工する
目的で石の裏側に番号をふる作業
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